昔の経営 2020 5 17
最近は、多くの飲食店は、レバレッジ経営かもしれません。
私の家の近くに喫茶店ができました。
特徴は、カフェアートが「売り」です。
さらに、興味を持った人は、カフェアート体験ができます。
しかし、運悪く、オープンしてすぐに、
新型コロナウイルスの流行によって、
店の営業を自粛することになったのです。
これで、この店は、倒産するか。
いや、倒産しないでしょう。
この店は、自宅の居間を改造して喫茶店としたものであり、
貸店舗ではありませんので、家賃を支払う必要はありません。
さらに、家族経営なので、人件費の問題もありません。
この店は、商売の基本です。
本来、商売とは、小さなところから始めて、やがて大きくするのです。
あるいは、他人の庇(ひさし)を借りて商売するのが、基本です。
しかし、みんな、早く成功したいために、
駅前の一等地にある貸店舗を借りて、事業を始めます。
これならば、早く成功します。
自宅で商売を始めた場合は、
駅前まで進出するには、10年以上かかるでしょう。
他人の庇を借りて商売を始めた場合も、そうでしょう。
しかし、今は、スピード経営の時代なので、
貸店舗を借りることになりますが、
賃料が発生するのは、それだけではないのです。
店にある大型冷蔵庫もリースなので、リース料が発生します。
そのほかに、食洗機など、多くの器具がリース可能でしょう。
さらに、人を雇えば、人件費も発生します。
このような経営手法は、レバレッジ経営と言えるでしょう。
少ない自己資金でも大きく事業展開できるので、
今は、スピード経営として称賛される時代になりました。
言い換えれば、短期で成果を求められる時代になりました。
昔は、自宅を改造して家族経営が多かったですが、
最近は、このようなレバレッジ経営が多くなっています。
銀行も、レバレッジ経営を勧めるでしょう。
このほうが早く成功するからです。
このようなレバレッジ経営は、「攻めの経営」であり、
自宅で商売を始めるのは、「守りの経営」でしょう。
これからの時代は、「不確実な時代」と言えるでしょう。
経営においても、「守りの経営」を念頭に置いたほうがよいでしょう。
今は、苦労人が少なくなりました。
苦労人の苦労話を聞くよりも、スピード経営が重視される時代になったのでしょう。
行商でリヤカーを引いて商売していたが、
最後は大蔵大臣まで出世した渡辺美智雄氏ような人が少なくなりました。
こういう人はエリートではありませんが、ブルトーザーのような馬力があります。